ローザ・ルクセンブルクのレーニン批判 「ロシア社会民主党の組織問題」動画原稿
シリーズ企画 ローザの思想。第一回はロシア社会民主党の組織問題について取り上げます。
まず本動画の目的から。
本動画はレーニン以外のマルクス主義者に光を当てることを目的にしています。
まず「ロシア社会民主党の組織問題」とはどのような文なのか簡単にまとめました。
ローザがこの文を執筆したのは1904年。ロシア社会民主労働党がメンシェヴィキとボリシェビキに分裂した一年後。ロシア第一革命が始まる一年前です。
ローザはここでレーニンの中央集権主義を批判。またレーニンのやり方がロシア革命運動の発展にそぐわないとして批判しています。
では実際に本文を見ていきましょう。
文章を読んでいただければわかるようにローザは明確にレーニンの中央集権主義を批判しています。
さらにローザはレーニンのやり方がロシアの革命運動が自然発生的なものだったとして批判を加えていますね。
でも、「自然発生的」っていったいどういう意味なんでしょうか?
「自然発生的」とは労働者が自分たちの力で革命を起こすという意味です。
指導者は革命を指導しない。労働者が自分たちで革命をやっていくという意味です。
ローザはロシアの革命運動がこうした「自然発生的」な運動をしていたと主張します。
レーニンのやり方は上から革命を指導する方法で、今までの革命運動のやり方にそぐわないとローザは言ったのです。
エリオットはレーニンがローザの批判に対して次のように反論したと述べています。
「同志ローザルクセンブルクはロシア社会民主党の中央集権化に反対しているが、これは第二インターナショナルを侮辱している。ローザの批判はマルクス主義を通俗的にしているにすぎない。マルクス主義の弁証法を捻じ曲げている。」
ローザとレーニン、このふたりをエリオットさんは次のように評価しています。
ローザはレーニン主義を批判しているが、レーニンが非革命的な労働者のジレンマに対してやったような効果的な対処をローザはできなかった。
事実、革命を成功させたのはローザではなくレーニンでした。
たとえレーニンのやり方に問題があっても、ローザは革命を成功させることができませんでした。またレーニンの考えに倣ったグループが次々と革命を成功させたことは評価しなければなりません。
マルクスは資本主義が高度に発展した国で革命が起こると考えていましたが、実際には後進国が革命を成し遂げました。マルクスの予想は外れていたわけです。
なぜ経済的に豊かな西ヨーロッパでは革命が成功しなかったのか。
イタリアのマルクス主義者、アントニオ・グラムシがこの問題について興味深い分析をしました。
今後グラムシについても扱っていきましょう。
それではまた。