ロック市民政府論 岩波メモ
p229「二二九 政府の目的は、人類の福祉にある。ところで、人民がいつも専制政治の無限界な意思にさらされているのと、もし支配者たちが、その権力行使に当たって法外なものになり、その人民たちの財産の保存ではなしに、破壊のためにそれを用いる場合には、これに抵抗しても良いというのと、どちらがいったい人類の最善の福祉にかなうだろう。」
p221「二二二 であるから、もし立法府が、社会のこの基本的原則を破るならば、そうして野心なり、恐怖なり、愚鈍なり、もしくは腐敗によって、人民の生命、自由及び財産に対する絶対権力を、自分の手に握ろうとし、または誰か他のものを手に与えようとするならば、この神に違反によって、彼らは、人民が、それとは全く正反対の目的のために彼らの手中に与えた権力を没収され、それは人民の手に戻るようになる。人民は、その本来の自由を回復し、(自分たちの適当と思う)新しい立法府を設置することによって、彼らが社会を作った目的である自分自身の安全と保証の備えをするのである。」
p137「一三五 立法権は…人民の生命財産に関して、絶対的に恣意的ではないし、またありえないのである。なぜならそれは、社会の各個人の合成力が、立法者である個人または会議体に委ねられたものに他ならないからである。…立法府は…その究極の限界としては、社会の公共の福祉に限定されている。…それ故、市民を滅ぼし、隷属させ、または故意に疲弊させるような権利を、決してもつことはできない。」→今の現代日本はこれに沿っているのか?
p134「一三三 国家(commonwealth)という言葉で私が意味しているのは、民主制またはその他の政府形態ではなく、ラテン語でcivitasという言葉が示しているような、独立の共同体を指していると解してもらわねばならない。」
私たちが思う国家観とロックが思う国家観の差
p132「一三一 …それ故、何人でもどの国かの立法権ないし最高権を持っているものは、人民に公布公知させられた確立した永続的法によって統治すべきであって、臨機の命令によるべきではない。これらの法によって争いを判定する厳正無私の裁判官によるべきである。…そうしてこれら一切は、ただ人民の平和安全及び公共の福祉の目的だけに向けられるべきである。
p117「一一三」
p107「一〇四」→人間はもともと自由。政府はこの自由の上に基礎を置いている。それは人民の同意によってできた。
p39〜40「三五」人間の生活は必然的に私有財産を導入する。
p34「二八」所有権に関するロックの考え方
p12「自然状態には、これを支配する1つの自然法があり、何人もそれに従わねばならぬ。この法たる理性は、それに聞こうとしさえするならば、すべての人類に、一切は平等かつ独立であるから、何人も他人の生命、健康、自由又は財産を傷つけるべきではない、と言うことを教えるのである。」
p9「三…政治権力とは…すべてはただ公共の福祉のためにのみなされるものである、と自分は考える。」