それん君はなぜマルクス主義の研究をしているのか
なんでマルクス主義の研究してるんですか?
とたまに聞かれることがあります。
私がマルクス主義の研究をしている理由は、
マルクス主義を批判的に総括して、それを乗り越えられた哲学を私が知らないからです。
例えば構造主義やポストモダンありますが、これもマルクス主義を乗り越えられているとは思えない。
デリダもマルクスの亡霊の中で言ってるようですが、マルクスは未だに有効なんです。
だから私はマルクス主義を学んでいます。
マルクスを自分なりに総括していきたいんです。
なんでマルクス主義を総括する必要あるの?と思われますが、なぜなら私が元々反共主義者だったからです。
学校の成績こそよくありませんでしたが、中学生の頃から政治思想に興味がありました。
当時はチャンネル桜も見てましたし、共産主義が大嫌いでした。だから当然その時からスターリンの大粛清や毛沢東の大躍進政策や文化大革命、ポルポト、北朝鮮のことは知っていました。
しかし私の家が貧困になった後、あれだけ嫌がっていたマルクスをなんとなく読んでみようと思ったんです。
そしてトロツキーやその他のマルクス主義者の本を調べていくと、案外保守派の話していた共産主義の批判はトンチンカンで
的外れな意見ばかりだということに気づきました。例えばスターリン主義の批判をマルクス主義の批判に拡大する。
でもスターリン主義の批判をマルクス主義全体の批判に落とし込める客観的な理由は何なのか。そこは教えてくれない。
彼らのスターリン主義批判をマルクス主義全体の批判に拡大することが正しいのなら、
オウム真理教の問題もブッダの思想に求めていいことになる。そして「仏教は危ない」こういう意見がまかり通る。
私的所有の廃止の問題
マルクスとレーニン、スターリンのプロレタリア独裁の考え方の違い
こういった問題に対して保守派は口を閉ざしている。もしくは分析というよりイデオロギー的なプロパガンダで批判しているだけだ。
私が欲しいのは保守派の「マルクス主義のどこのどういう部分がこうこうこういった理由で間違っている。」
こういう議論なのだが、なかなか聞こえてこない。
もちろんその中で保守派の思想も学ばねばと思い、西部邁や西尾幹二氏のGHQ焚書を通して日本から生まれる思想というものに目を向けたこともありましたが、ドイツイデオロギーを読んだ後では、ナショナリズムそのものが空虚であると思ってしまい、あまり響くものはありませんでした。
唯一理解できるなと思えたのは西部邁さんがオルテガを引用していた時です。
もちろん保守派のマルクス主義に対する批判の中で的を得たものもあるが、その批判を含めても、現代の保守派の思想はマルクス主義を乗り越えられていない。
保守派がそれをやってくれないのなら自分でやるしかないんです。
私がマルクス主義を学ぶ理由は
もちろんより良い社会を目指したいという気持ちも理由の一つですが、
もう一つの理由として、自分なりにマルクス主義を総括して、マルクス主義のあるいはマルクスの何が間違っていたのか、何が正しかったのかを自分なりに考えたいからです。
決してマルクス教徒になりたいわけではありません。むしろマルクスはそういうマルクス教徒こそ嫌っていると思います。
保守の思想が全て正しい、全て間違ってるとかレーニンやスターリン、マルクスは全て正しい、全て間違ってるというような
自分のイデオロギー的な立場から物を言うんじゃなくて、客観的に見ていきたい。